コラム/ columns

鼠径ヘルニア(脱腸)を治療せずに放置するとどうなるの?

2018/07/23

鼠径ヘルニア(脱腸)は早めの治療を推奨します

最もお伝えしたいことを先に述べます。
まず鼠径ヘルニアは、医師の確定診断を受けたからには、早めに治療を受けていただくのが良いと考えます。

後述する「嵌頓(かんとん)」と言う状態にならない限りは、手遅れになることのない病気です。
また当院のベテランは、いかなる鼠径ヘルニアもお断りすることなく治療してきました。
しかし、初期のものは、高度に進行した症例と比べると、合併症の発生率が低く、手術後の苦痛や通院期間も短く済みます。

従いまして、可能な限り早めに手術を受けるのが合理的と言うことになりますが、お仕事やご家庭の都合ですぐに手術を受けることができない方もいらっしゃるでしょう。
どの程度放置しておいて良いか、あるいは適切なタイミングはいつか、それらは鼠径ヘルニアの専門家が直接診察をして、患者様の置かれた状況をよく伺って、一緒に考えて、準備を進めたいと思います。

鼠径ヘルニア(脱腸)は自然に治ることはありません

大人の鼠径ヘルニア(脱腸)は自然治癒することはなく、また薬などの治療法もないため、手術による治療が唯一根治可能です。

ヘルニアバンド(脱腸帯)というものを使用している方もいらっしゃいますが、これは脱腸を外から抑えることで、一時的に鼠径ヘルニアの症状を軽くするものです。
しかし、これはその場しのぎですので、これにより鼠径ヘルニアが治ることはありません。
むしろ、ヘルニアバンドの圧迫により、皮膚障害や内臓の損傷を引き起こす可能性があります。

ヘルニアの膨らみの大きさは人それぞれであり、ピンポン玉や鶏の卵程度の大きさに感じることもあります。
ヘルニアを触ると、柔らかく、手で押したり、身体を横にすることでたいていは引っ込んでしまいます。
そのため、不安には思っているが、放置してしまうケースが多くあります。
その後、症状を繰り返し、ヘルニアの膨らみも徐々に大きくなって、軽い痛みを感じることもあります。

放置してしまうと?

悪化してもなお放置していると、押しても引っ込まず、痛みも強くなっていきます。
そして、歩くのもつらくなるというような状態になることもあります。
この「歩くのもつらい」という状態を「嵌頓(かんとん)」といいます。
この段階になると、腸閉塞や腹膜炎などを引き起こしやすくなり、命に関わることもありえます。

そうなってしまう前にきちんと受診することをおすすめします。

最後に

日常聞きなれない病名から不安な気持ちになっておられる方もいらっしゃると思いますが、治療可能な病気ですのでご安心ください。
手術の時期決定は最終的には患者さまのお気持ち・状況次第ではありますが、当院では日帰りで苦痛少なく治療を受ける事ができます。
まずはお気軽にご相談ください。

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■文責
医療法人社団博施会理事長 大橋 直樹
(日本外科学会認定外科専門医)

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