盲腸よりも多い?年間15万件も手術が行われている
そけいヘルニアとは
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鼠径(そけい)ヘルニアという病気は、あまり聞き慣れないかもしれませんが、いわゆる「脱腸」のことです。たいへん多い病気で、日本では年間15万件以上手術が行われており、実は虫垂炎(盲腸)の手術より多く行われています。患者さんの8〜9割は男性ですが、妊娠などがきっかけとなって鼠径ヘルニア(脱腸)になる女性もいます。
そもそも「鼠径(そけい)」、「ヘルニア」ってどういう意味?
「鼠径(そけい)」とは太ももの付け根部分のことを言い、「ヘルニア」は体の壁の構造に異常が起き、本来中に収まっているものが脱出してくる状態を表現する言葉です。
本来内臓をお腹の中に収める壁「筋膜」の力が弱まり、腸が太ももや下腹部にはみ出して「脱腸」した状態のため、表面的には太ももの付け根部分にやわらかいピンポン球大の「しこり」や「できもの」、「こぶ」ができたような形になります。飛び出した臓器は大網や小腸、大腸、卵巣であることが多く、ヘルニアが大きくなれば腸管が出たり入ったりするようになります。
鼠径ヘルニア(脱腸)は大きく3種類に分けられます
鼠径ヘルニア(脱腸)は、場所によって3種類に分けられます。
- 外鼠径(そけい)ヘルニア(間接型)
- 鼠径(そけい)ヘルニアの大半がこのヘルニアです
- 内鼠径(そけい)ヘルニア(直接型)
- 中年以降の男性に多いヘルニアです
- 大腿(だいたい)ヘルニア
- 全体的には少ないヘルニアです。出産による影響が大きいと考えられ、女性がかかりすいヘルニアです。嵌頓(かんとん)にもなりやすいため注意が必要です。
どうして鼠径ヘルニア(脱腸)になるの?
2足歩行をする人間は、もともと他の動物に比べてお腹に力がかかりやすくなっています。 それでも健康な状態であれば、お腹の筋肉によって内臓を支えることができるのですが、加齢とともに筋肉が衰えたり、喘息や妊娠など普段からお腹に負担がかかりやすい状態が続いている方は、鼠径ヘルニア(脱腸)になりやすくなってしまいます。
さらにお腹に力のかかる仕事や病気(便秘、肥満、喘息、慢性肺疾患)なども鼠径ヘルニア(脱腸)にかかりやすい要因と一般的に言われていますが、明確な医学的根拠があるわけではありません。