コラム/ columns
鼠径ヘルニアの手術後はいつから運動して良いのか?
2025/11/04
鼠径ヘルニア手術を受けられた患者様から
「いつから運動していいの?」
「運動で再発しないか心配…」
といったご質問をよくいただきます。
実際のところ、術後の運動が再発や健康トラブルの発生率を高めるという相関関係は十分に検証されていません。インターネット上で見られる「術後1ヶ月は安静に」「激しい運動は長期間避けるべき」といった一般的な情報がありますが、当院の臨床現場での経験上、早期の運動再開による問題は起きていないのが実情です。
鼠径ヘルニア手術後の運動再開目安
患者様から「具体的にいつから何をしてよいのか」というご要望を多くいただくため、以下のような目安をご案内いたします。あくまで一般的な目安であり、患者様の体調や回復具合により個人差がありますので、無理のない範囲でご活用ください。
【手術当日】
・公共交通機関での帰宅は可能です。ご希望があればタクシーを手配いたします。
・ご自身での車の運転は避けてください。
・ご自宅で身の回りのことを行うことに特別な制限はありません。
【手術翌日(1日目)】
・歩行は自由に行っていただけます。
・デスクワークや通常の仕事も可能です。
【術後3日目】
・性行為が可能です(男女とも)。
【術後4日目】
・ランニングや自転車などの有酸素運動が可能です。
・腹筋への負担が少ない筋力トレーニングも開始できます。
【術後5日目】
・ゴルフや水泳などのスポーツが可能です。
【術後10日以降】
・テニス、サッカー、陸上競技など全身を使う激しい運動も、体調に応じて徐々に再開してください。
医師や施設によって考え方が異なる場合があります。当院の中でも必ずしも統一された見解ではありませんが、ひとつの参考としてご利用ください。
運動による再発のリスクはあるのか?
「運動の負荷」と「再発」の相関はあまりありません。適切な時期に適切な運動を再開でなかったからといって、再発リスクが大幅に高まるということはありません。むしろ、適度な運動は回復を促し、体力維持にもつながります。
手術後に時折、痛みを感じることがありますが、日常生活に問題がないレベルであれば、様子を見ていただいて構いません。ただし、痛みがあまりにも続く場合や、痛みが増している場合は一度診察を受けてください。
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