コラム/ columns

成人鼠径ヘルニア治療に用いる人工繊維布(メッシュ)について

2021/03/07

成人鼠径ヘルニア治療用のメッシュはさまざまなメーカーが独自の工夫をしています。
医療機関に納品されているメッシュは国の定めた基準・法令に従ったものになります。
いずれのメーカーも自社の製品が一番!とアピールをしているのですが、我々専門家としてはどれも一長一短であり、症例に応じた選択が必要と考えております。

どのメッシュを使用するかは、当院では基本的に執刀医にご一任いただきますが、特段のご希望がある方は手術前にご相談ください。

メッシュの材質としてはポリプロピレン・ポリエステルいずれかが普及しています。
どちらにしてもヒトの一生分の耐用性は問題ないと考えております。
時折質問されるのは、アレルギーの有無ですが、分子構造的にアレルギー反応は起きません。

メッシュ感染が生じることで、メッシュの交換を余儀なくされる惧れは1万人のうちの数例とされています。
一方、メッシュを使わない手術での再発率は10%、すなわち1万人のうち千人ですので、標準治療としてはメッシュ使用が推奨されていることをご理解いただけると思います。
メッシュをお使いになりたくない事情のある方は個別にご相談ください。

なお、東京外科クリニックでは多くの場合、プログリップもしくは3Dライトマックスといわれるメッシュを使用することが大半を占めております。
ずれ、めくれに強いプログリップ、形状記憶性の高い3Dライトマックスいずれかを使い分け、質の高い治療を心がけています。

製品の説明は後日、稿を改めてお話していきたいと思います。

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■文責
医療法人社団博施会理事長 大橋 直樹
(日本外科学会認定外科専門医)

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