コラム/ columns

鼠径ヘルニア(脱腸)手術後の痛みや制限について

2021/08/11

術後は一定期間の安静を指示している医療機関もありますが、当院においては厳しい定めはありません。
長期安静の有用性を示唆する医学的根拠が乏しいからです。
ただし、手術後24時間は乗用車の運転を禁止します。
それに準ずる精細な作業もご遠慮ください。

歩行に関しては退院許可時より制限はしておりません。
激しい運動は2週間後以降としておりますが、術直後の痛みの感じ方には個人差がかなりありますので、ご自身の判断で加減していただいて結構です。

極端な話、手術翌日に全力疾走などして強い痛みを感じたとしても、手術の仕上がりに悪影響を及ぼすものではありません。
手術後は2,3日ゆっくり過ごされるのが無難ではありますが、お忙しい方が翌日でもお仕事に出られることは禁止事項ではありません。

 

Q.手術後の痛みの程度はどの程度ですか?

個人差が大きい領域ですが、ヘルニア学会のガイドラインで医学的根拠として言われているのは切開法に比べて腹腔鏡を用いた手術の方が痛みが小さく社会復帰が早いと言われています。
当院ではこれまでに痛みが原因で帰宅ができなかった方はいません。
じっとしていればそれほど辛いことはなく、咳きこんだり、起き上がったり等といったタイミングで痛みが発生することもあります。
ただし、それも2,3日経てば概ね落ち着いてきます。
完全に痛みが無くなるには数週間かかることもあります。

手術後は痛みどめをお渡ししています。
定期的に飲むタイプの痛み止めと頓服で痛みが強い時に服用する痛み止めをお渡ししています。
翌日からお仕事に出かける事は禁止していません。
痛みが出るからと言って手術の結果に影響はありません。
術後日は自宅でゆっくりできるのが望ましいです。
重要な予定は術後2,3日は入れないことをおすすめします。

 

Q.手術後の飲酒はいつからいいですか?

原則術後3日は避けていただくようにお伝えします。
ただし、個別で状況は異なりますので、必要に応じてご相談ください。

 

Q.手術後の食事に制限はありますか?

特に制限はありませんが、暴飲暴食など腸に大きな負担をかけることは控えましょう。

 

Q.手術後の入浴やシャワーはいつから大丈夫ですか?

術後1日目より、傷口をこすらないように静かにシャワーを浴びてもかまいません。
また、術後3日目からは入浴が可能です。

 

Q.手術後の通院はどのようになりますか?

当院では、ほとんどの方は電話再診となり、来院不要です!

※一般的な日帰り手術の場合は、お電話で術後の状態を知ることができるので、診察の省略が可能です。
ただし、患者さまの診察要請を拒むものではありません。
必要な場合は、受診を指示することもあります。

 

Q.術後の運動はいつから可能ですか?

1週間程度は控えていただくことをおすすめしておりますが、早めに再開したい場合は個別にご相談ください。

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■文責
医療法人社団博施会理事長 大橋 直樹
(日本外科学会認定外科専門医)

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