コラム/ columns

APP後のII型再発(動画):ラパヘル後再発をラパヘルで治療する

2022/05/10

 

ラパヘル後の再発をラパヘルで治療するのはいかがなものか。
再発ヘルニア門にプラグだけ入れてまた再発という話を複数聞いたことがあるので、個人的にはTAPPで治療するのがいいと思っています。
メッシュを摘出しようと腹膜はこれまで経験上、縫いきれていますし、再発ヘルニア門もきちんと同定出来て納得のいく仕上がりができています。
ただ、ガイドライン上は必ずしも「推奨」ではないので、読者の諸兄は慎重にご判断されたいと思います。
本症例、前回手術はTAPP。
メッシュの様子から3D Light MAXと思われます。

II型再発です。

前回手術のメッシュは内側でも腹膜越しに透見できます。
通常は内側は脂肪が厚いので透見できないはずです。
このメッシュは位置的には内側臍ヒダの背側のように見えます。
となるとメッシュ敷設のレイヤーそのものを間違ったのではないでしょうか。
そもそもそんなことが可能なのか?私の誤認か?と疑ってしまうほどでありますが、この内側のメッシュは奇妙に思えてなりません。

術式が正しく行われてさえいれば起きえなかったpreventable recurrenceである可能性があります。

ところで、硬くなった内側臍ヒダの把持牽引に右手がとられてしまい、ほとんどが左手操作になっています。
助手をもう一人入れてもう1ポート追加でトラクションかけてもらうか、TEPで行うかのほうが、両手が使えて美しいとは思います。
これはこれでやりきれているのでかまいませんが、大変な時は、もう1ポート追加の心の準備をして臨むのは心がけとしてよろしいと思います。

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