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外科専門医が教える!鼠径ヘルニア 日帰り手術と入院手術、どっちが良いの?

2023/09/07

さっそく、鼠径ヘルニアの日帰り手術と入院手術、それぞれのメリット・デメリットを整理していきたいと思います。

日帰り手術のメリットは?

日帰り手術の最大のメリットとしてはそのままの言葉通りなのですが、「入院をしなくても済む」ということです。
普段過ごしているご自宅に、手術のその日のうちに戻れるということです。
そのため、翌日以降体調さえ良ければ、仕事をするなり、レジャーをするなり、貴重な人生の時間を、医療行為というものによって奪われないようにできるというところです。
(もちろん、ちゃんと外科医の腕前がしっかりしている、というものが前提です)

入院であろうが、日帰りであろうが、最終的な手術の結果は同じです。

それでは、日帰り手術のデメリットは?

日帰り手術のデメリットとして挙げられるのが、「漠然とした不安が伴う」というところです。
しかしながら、手術が終わってから緊急で再手術になった方は、当院の経験上、いらっしゃいません。

日帰り手術のデメリットをなくす、東京外科クリニックの取り組み

逆に言うと、先述の通り「漠然とした不安をきちんと解消しなければいけない」というのが我々日帰り手術を行う医療機関の務めであると考えております。
そのため、手術が終わった後には、手術を受けてくださった患者さん専用ダイヤルをお伝えしております。
このダイヤルでは365日24時間いつでもご相談いただけるようにしております。
また、万が一に備え緊急の往診をできるようにしておりますが、相談内容的に緊急の往診が必要であった事案は開院以来ございません。
手術が終わってから、
・緊急で何かをしなければいけない
・その場で入院をしなければならない
ということがもしあれば、手術が終わってからクリニックにご滞在されているうちに判断することになり、ほとんどの方は問題なく帰宅いただくことになります。
近年当院で、手術後に入院となった例はございません。

 

鼠径ヘルニアは日帰り・入院どっちがオススメ?

鼠径ヘルニアの手術は、基本は日帰りがおすすめだと考えております。
当院は日帰り専門の医療機関ですので、どちらが良いの?と聞かれたら日帰り手術をお勧めするという答えにはなってしまうのですが、いくつか注意事項をお伝えできればと思います。
時に、入院での手術を勧める方もいらっしゃいます。
入院をお勧めするケースとしては、大きな持病、例えば心機能、呼吸機能、その他重要臓器に大きな問題がある方は、年齢問わず、最初から入院して手術した方が良いという判断を下すことがあります。
過去にあった問い合わせとして、”小さい頃から心臓病で一般の方と比べると心臓の機能半分以下です”といった事案に関しては、入院のご提案をしたことがありました。
その他、神経難病等の注意が必要です。また、高度肥満の方(BMIが30~35以上の方)、腎臓の病気も、日帰り手術においてはいろいろ注意を必要とすることが多いです。
日帰り手術で問題ないか心配な方は、受診する前にお電話・LINEでご連絡いただいて、受診前相談などもしていただくと良いと思います。

よくある誤解として、「年齢によって受けられません」という方はいないです。

何歳であっても、当院が行う手術前の所定の検査を実施し、問題ない方は手術をお受けすることできます。
「ちょっと年齢が…」「ご高齢だから日帰り手術はやめときましょう…」と他のお医者さんに言われた、というのは間違いであると断言できます。

むしろ、お年を召した方は入院させた方がよいというのは全くの誤解であり、手術が終わってから入院した際に、普段と環境が違うのでせん妄という錯乱状態に陥る方がいらっしゃいます。
それが要因で、夜に暴れてしまったりするケースも少なくありません。これは、環境が違うというのが最も大きい原因なのです。
麻酔もそうですが、手術というのは体に負担のかかる行為なので、その手術後には精神状態が正しく保たれなくなる可能性があるのです。そこに入院というストレスが加わることで、さらにリスクが高くなってしまうので、
むしろご高齢の方こそ日帰り手術を選んでいただき、手術後にいつものご自宅に帰宅いただく方が安心できます。

当院は、再発や困難症例もお断りしません。

あまりにも大きすぎる鼠径ヘルニアは注意が必要ではありますが、これまでのところ、”鼠径ヘルニアの状態だけ”でお断りしたケースは当院ではございません。
他院でよくあるケースとして、再発症例や、あまりにも鼠径ヘルニアが大きい、という場合は手術を断られることがあるかもしれません。
しかし、当院はそういった患者さんの手術も積極的に行なっております。
実は、ほとんどの方は日帰り手術の適用があり、日帰り手術の方が日数も少なくお金の負担も少なくなるので、メリットが大きいと言えます。
※鼠径ヘルニア日帰り手術の患者様の自己負担額は収入により異なりますが、入院より安くなる方が多いと思われます。

海外では”日帰り手術”が当たり前!?

日本ではまだ日帰り手術が浸透しておらず、入院を選ばれる方が多いです。
先程お話ししたように、「漠然とした不安」を持たれている方が多いのか、また日帰り手術の情報がまだ伝わっていないなど、様々な要因があるかと思います。

しかし、海外では日帰り手術が当たり前になっています。
どうしても入院しないといけないというケース以外は、患者さんの希望を問わず、日帰り手術がメジャーです。
一方、日本は入院して手術をすることが当たり前という常識が続いている国です。
これは病院の経営事情も背景にあるものと思われます。

当院には「日帰り手術のスタンダードを創る」という目標があります。
患者さんのため、この国のため、日帰り手術がさらに普及するよう、活動を続けて参ります。

 

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■文責
医療法人社団博施会理事長 大橋 直樹
(日本外科学会認定外科専門医)

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〇当院の鼠径ヘルニア日帰り手術に関してマンガを作成いたしましたので、是非こちらもご覧ください!!

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