コラム/ columns

患者さんの負担を減らす試み MIDS™️に込められた想い

2023/08/31

鼠径ヘルニア手術の歴史

鼠径ヘルニアの日帰り手術は、東京外科クリニックが初めてであるとお考えになっている患者様もいるようです。

しかしそれは誤解であり、実は、術式や方法論を問わなければ、鼠径ヘルニアの日帰り手術は1990年代でも一部の医療機関で行われていた手術です。
この年代の術式は、局所麻酔、あるいは軽度の鎮静を併用した切開による手術でした。

 

しかし、2010年代になって腹腔鏡による鼠径ヘルニアの手術が普及してきました。

これまで5センチ位のキズで行われていたこの手術が1カ所あたりのキズが1センチ以下にできるようになると言う画期的な術式でした。ところが、全身麻酔が必要となるこの術式は日帰りは困難だと認識されていたのです。

東京外科クリニックと日帰り手術の普及

東京外科クリニックは2015年の開院前の構想段階から綿密に調査を行い、腹腔鏡用の全身麻酔でも、日帰り手術が安全に行えることを確認し、開院当初より腹腔鏡による鼠径ヘルニアの手術を日帰りで行ってきました。

この時点より単なる日帰り手術ではない、患者さんが受けるダメージがより少ないと考えられる日帰り手術「侵襲を最小限にした日帰り手術」MIDS ™️(Minimally invasive day surgery)を提唱したのです。

MIDS ™️とは?

MIDS ™️(Minimally invasive day surgery)という概念については、正直に申し上げると、当初は、古い時代の常識に固執する医師や医療機関から疑念の声が上がっていたのも事実です。しかし2020年に1400症例を超える日帰り腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術の全データを医学論文として上梓。優秀論文賞受賞までいただくことができ、世の中の外科医療の常識を名実ともに覆すことになりました。

MIDS™️という造語には、単に腹腔鏡で日帰り手術を行う技術だけではなく、その腹腔鏡のキズの一つ一つも、少しでも小さいものにする、そして、肉体的な侵襲だけではなく、精神的なあるいは、社会的な負担も軽減する。我々の理想と願いが込められています。

MIDS™️の商標の使用については東京外科クリニックの運営法人である医療法人社団博施会にお問い合わせください。

 

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■文責
医療法人社団博施会理事長 大橋 直樹
(日本外科学会認定外科専門医)

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〇当院の鼠径ヘルニア日帰り手術に関してマンガを作成いたしましたので、是非こちらもご覧ください!!

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