コラム/ columns

虫垂炎(盲腸)の入院期間①

2020/10/18

虫垂炎(盲腸)の治療に要する期間は軽症・中等症のもので5.6日、悪化したものも含めた全国平均は7.4日となります。

 

手術別 件数 平均在院日数
(01) 結腸切除術、小範囲切除等:2,706件/15.5日
(02) 虫垂切除術、虫垂周囲膿瘍を伴うもの等:17,340件/10.1日
(03) 虫垂切除術、虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等:37,431件/5.6日
その他手術:1,499件/12.5日
手術なし:28,676件/7.3日
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合計:87,652件/7.4日

※DPC対象病院・準備病院・出来高算定病院の合計治療実績 (2018年4月〜2019年3月退院患者)

 

この結果によると手術が行われなくても入院期間は短くなっていないことになりますし、そもそも「手術なし」はつまり根治的ではないため、いつでも再び虫垂炎になってもおかしくないということになります。

近年では抗菌薬とその使い方の進歩に伴い、手術なしの保存的治療、俗にいう「薬でちらす」ことが多く行われるようになってきました。
それ自体は、間違った医療ではありません。
むしろ、緊急での手術は高いリスクを伴うので必要最小限がいいと考えます。

しかし、いったん薬でちらすのに1週間近く入院して、手術のためにまた同じ期間入院となるのが我が国での一般的な対応です。
これでは、患者さまの時間的及び経済的損失が大きすぎるとは思いませんか。

そこで、当院が提案しているのが、いったん薬でちらしたあとの根治的手術を日帰りで行うこと。
腹腔鏡で日帰りで虫垂切除を安全に行うことができる施設は限られていますが、これ以上の時間の無駄を避けたい患者さんにはお役に立てると思います。

なぜ、こんなに治療期間が長いのか?東京外科クリニックではどうして日帰り手術が可能なのか?

その秘密については次回以降お話していきましょう。

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■文責
医療法人社団博施会理事長 大橋 直樹
(日本外科学会認定外科専門医)

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