コラム/ columns
「常に患者さまに正直であること」
患者と医師。もとが他人同士なのにきちんと向き合ってもらえるのか。初めて会うのに少しも心配ないと思える人はいないと思います。嘘をつくこと、真実を隠すこと、あなたにとって重要なことを教えないこと、言っていることとやっていることが違うこと…残念なことは医療の業界に限らずおきています。これらすべては当院の中では許されません。
我々医療職も、患者さんに手術を受けていただくことにより、生計を立てている以上、正直であることは、「集客」の観点で都合が悪いこともあります。経営のためならたくさん手術をしたい。でも、ヘルニアでない患者さんをヘルニアと偽って手術をすることは絶対にあってはなりません。やらなくてはいけない理由が明確にある。明確じゃないものはできない。
手術件数のみならず、合併症や有害事象も含め、ウェブサイト上で公表し、学術論文という最も公的な形でも報告しています。合併症とミスは違います。我々がどんなに注意深くなろうとも一定の割合で起こりえるのが合併症です。これらによる患者さんの健康被害を最小限に食い止めるのも私たちの使命です。合併症の程度、数、割合、あまり知られたくないのが本音ではあるが、包み隠さず公表しています。
正直を貫くために、私たちは自分に厳しく鍛錬します。失敗しないような仕組みと技術を整えます。正直な想いが患者さんに伝わる、東京外科に任せていいんだとお顔が一瞬華やぐ…その瞬間は私たちは見逃しません。この体験が続くことがみんなが幸せになることつながると信じています。